西海岸?東海岸?HIPHOPにおける東西の意味!音楽の特徴や文化など

1970年代のニューヨーク・ブロンクスで誕生したHIPHOP。DJ、MC、GRAFFITI、B-BOYINGの4要素が結びつき、多彩な要素を含む大規模なカルチャーへ発展。この記事では、東海岸と西海岸の音楽特徴や90年代の抗争、代表的なアーティストについて解説します。

1970年代のニューヨーク・ブロンクスで誕生したと言われ、DJ、MC、GRAFFITI、B-BOYINGの4要素を基盤に、独自の文化を形成してきたHIPHOP。その過程ではさまざまコンテンツが結びつき、現在では多彩な要素を含む大規模なカルチャーへと発展してきました。

この記事では、そんなHIPHOPにおいての東海岸と西海岸の音楽の特徴を探り、両方の異なるスタイルについても解説。また、90年代に起きた「HIPHOP東西抗争」という悲劇的な対立や、各地域の代表的なアーティストたちの詳細について紹介します。

  1. まずHIPHOP(ヒップホップ)とは?
  2. 【対立の歴史】HIPHOPの東西抗争
  3. 東海岸、西海岸の音楽の違い/特徴について
  4. 東海岸(イーストサイドサイド)を代表するアーティスト

    1. The Notorious B.I.G.
    2. Nas
    3. Wu-Tang Clan
    4. Jay Z
    5. Rakim
    6. KRS-One
    7. Public Enemy
  5. 西海岸(ウエストサイド)を代表するアーティスト

    1. 2pac
    2. Dr. Dre
    3. Snoop Dogg
    4. N.W.A.
    5. Warren G
    6. Ice Cube
    7. Cypress Hill
  6. おわりに

まずHIPHOP(ヒップホップ)とは?


ヒップホップは、1970年代のニューヨーク、ブロンクス地区で生まれた文化的運動のこと。DJ、MC(ラップ)、GRAFFITI、B-BOYING(ブレイクダンス)など代表的な4要素を基本としたさまざまな要素から成り立っています。

このムーブメントを起こした若者たちは、社会的・政治的なメッセージを伝える手段としてラップを用い、その背景でビートボックスやDJの技術が取り入れられました。音楽だけでなく、ダンスやグラフィティアートといったさまざまな要素を持つカルチャーとして発展し続けています。

今年(2023年)はHIPHOP生誕50年。多くの民衆やアーティストたちが、カルチャーへの感謝と敬意を払った節目となりました。

音楽としてのヒップホップ/DJ,MC

「ヒップホップの父」として認識されるDJ Kool Herc(クール・ハーク)が、レコードのドラムビートを強調する部分である「ブレイク」を際立たせたプレイ行ったことにより、ヒップホップ音楽の基盤(ブレイクビーツ)ができました。

ラップ・ヒップホップと区別される音楽ジャンルでは、MCたちが声なき声の代弁者として、民衆の日常の経験や感情を表現する手段として活躍しました。社会的な不平等や差別、都市の厳しい現実を扱った歌詞などでも知られていますが、同時に希望や夢、愛についても歌われています。

これらの音楽要素から、独自のリズムやビート、ラップのライミングやフロー、ストリートの言葉(スラングなど)を駆使して、リスナーに深い感動や共感を与える音楽として発展し、今や世界で最も影響力のある音楽ジャンルに成長しました。

ヒップホップ文化を取り入れたダンス

ヒップホップダンスも、この文化の重要な要素として位置づけられています。ブレイクダンスやストリートダンスは、「ダンスで競い合う」ことをもって、暴力的な争いを無くす手段として活用されていました。

近年では独自の動きとスタイルが大衆の人気を集め、ブレイクダンスがオリンピックの種目として選ばれるなど、エンターテイメントやスポーツの分野でも大きな影響力をもっています。

グラフィティアートとしてのヒップホップ

ヒップホップ文化におけるグラフィティアートは、都市の風景にメッセージやアイデンティティを視覚的に表現する手段としての役割を担いました。

社会的な問題や差別を批判し、変革を求める声や、不平等への反骨精神・自由を求める精神を象徴し、ヒップホップの深い哲学やメッセージを、ビジュアルを通じて共有する役割を果たしています。

【対立の歴史】HIPHOPの東西抗争

HIPHOPの東西抗争は、1990年代にアメリカのヒップホップシーンで最も注目された出来事の一つであり、特にニューヨークを代表する東海岸の「Bad Boy Records(バッド・ボーイ・レコード)」とロサンゼルスを代表する西海岸の「Death Row Records(デス・ロウ・レコード)」間で繰り広げられた対立です。

この抗争は音楽界だけでなく、文化や社会にも大きな影響を与えた出来事で、多くのアーティストやファンを巻き込み、The Notorious B.I.Gや、2Pacといった才能あるラッパーの命を奪う結果となりました。

東西抗争の背景には、人間関係における亀裂、音楽的な相違や地域的なプライド、メディアの煽りなどが絡んでいるようです。

抗争の特徴の一つには、アーティスト同士のビーフ(対立)やディス曲(相手を貶す曲)が挙げられ、抗争を激化させる要因となりました。The Notorious B.I.Gや、2Pacの死後、多くのアーティストや関係者が和解の動きを見せ、現在では東西抗争の名残は少なくなっています。

この歴史的な出来事は、音楽の影響力やアーティストの責任、暴力の悲惨さについて考えさせられるものであり、今後も多くの人々に語り継がれるでしょう。

詳しく知りたい方は以下の動画も参考にしてみてください。

東海岸、西海岸の音楽の違い/特徴について

今回ご紹介する特徴と違いは、特に90年代〜の音楽おいてよく言われている一つの特徴をまとめたものです。音楽の解釈や特徴は多岐に渡るものであり、例外もあります。あくまでも、今回ご紹介する特徴が全てではないことを承知おきいただければと思います。

東海岸のHIPHOP

東海岸の音楽はジャズの要素を取り入れたり、サンプルを多用した重たく強めなビートを使うなど、「いなたい印象」や「ハードコアな印象」のものが多いのが特徴。

貧困や犯罪などの深刻な問題について歌いつつ、複雑な言葉遊びや重低音にあうフローのあるラップも特徴です。Nasや、Notorious B.I.G、Wu-Tang Clanなどが代表的なアーティストです。

西海岸のHIPHOP

西海岸のヒップホップはファンク音楽に影響を受けたものが多く、リラックスした曲や、パーティーチューンなど、心地良いノリを重視したサウンドが多いです。また、ギャングスタラップの要素が強いとされ、ギャングの暴力や反警察の政治的立場を取り入れているものも多いです。

代表的なアーティストとしては、TupacやIce Cube、Snoop Dogg、Dr. Dreなどがいます。

西海岸のカルチャーについては、深掘りした記事もあるので、あわせてご覧ください!

ウェッサイってなに??歴史、ファッション、音楽をまとめて解説!

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