「子ども達が優勝ボードを持っておめでとうと言ってくれた。師CHERRYさんのイズムをバトルで示したい」/【FINALIST INTERVIEW DAI編】マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

アライブ予選に挑戦して感じたことを教えてください。

今回、いいタイミングでアライブに挑戦できたと思っています。YUKIさんがジャッジだったので見てもらういい機会だと思い挑戦しました。フリースタイルで、選曲もかなり難しかったです。POPだけのバトルは自分達のジャンルの曲がかかりますが、ALL STYLESはいろんなジャンルの曲が流れるので、その上げ下げを意識して踊りました。今の若い子たちは僕たちよりうまいと思っています。僕らよりうまいダンサーはザラにいますが、僕らは僕らのいいところがあるのでそこで戦うつもりで臨みました。
バトルについては基本的には挑戦しながら、プレーヤーでいたいなと思っていますが、ジャッジのオファーを受けることも増えてきました。ジャッジさせてもらうと客観的に、緊張して乗れてないな、気持ちが乗っかってるダンスだな、などいろんなものが見えますし、刺激をもらえます。そこがいいところだと思う反面、めちゃめちゃ難しいなという場面もたくさんあります。自分のいい方に上げますが、心は痛いし、憎まれ役になってナンボというのもあります。ジャッジを通じても、僕らが師匠から教えてもらって、自分が今大事にしているものを伝えれたらいいなと思って仕事を受けています。ものごとの見方にはやはり年齢(の影響)があって、この年齢になるから分かること、というのは沢山あると思うんです。二十代前半で、ベテランにこれ大事だよ、と言われても、今はそれはいらないな、と感じてしまうことはあると思います。ただ、歳をとってあの時言われたことってこういうことか、と納得することが僕はたくさんありましたし、どういうふうにしたら伝わるのかも考えてお話しさせてもらっています。
自分の強みと言えるかは分かりませんが、ステップが一番好きで、特に若い頃はクレイジーレッグスに特化してきましたし、経験を積むことでスキルはついてきたと思っています。もちろん乗っけてるものが乗っからなくなる時期もありましたが、理想としている踊りは、人の心に刺さる踊り。うまくなくてもいいんです、一瞬でもいい、人の心に刺さる踊りをしたい。そんな気持ちの乗っけ方を意識して、脚に関しても、音遊びにしても表現しているので、そういうところが見えてくれたらいいなと思います。

ファイナルに向けての想いや意気込みをお願いします

ダンスアライブは、(ダンサーにとって)無茶苦茶いい環境を作ってくれていると思います。例えば踊れる環境、コロナでプレーヤーが出れる場所がなくなったことでイベントが自分達を輝かしてくれる、と多くのダンサーが気づいたと思います。そんな大変な中でも開催し続けてくれている上、アライブはさらに高額な賞金を用意することでダンサーとしての価値を示してくれていると思っています。ダンサーとしての価値は高くあるべきだと、企業や一般の人に向けて呼びかけてくれているのはありがたいことです。もちろん、大小関係なく一つ一つイベントは気持ちを入れて運営されていると思いますから、優劣をつけるとかではないんですが、やりたいこと、理念がしっかりと形になって続いてきたイベントかなと感じます。だからこそ、ファイナルの出る試合は一つ一つ大事にしながらフルアウトで持ってるものを全部出し切って、美味しいお酒が飲めたらいいなと思います。
大阪のPOPは、自分の中でも特別ですし、他の地域の方も特別と思ってくれています。ブガルーも大阪のブガルーという独特のスタイルがあると思っています。大阪のPOPということに関して、自分の中で大事していることを形にして出していけたらと思っています。上の人たちがいて、僕たちがいて、下の子たちがいてくれるから、いいものが繋がっていくと思います。やってきた分伝えれることがあると思いますし、いい意味でみんなで楽しく、好きなまま、いいものが当たり前にあったらいいなと思います。僕らにとっては踊りも生活も一緒にいた方ですが、CHERRYさんのことも知らない世代が出てきました。スキーター(Skeeter Rabbit)もCHERRYさんも、忘れられてほしくない存在だという気持ちがあります。日本の現在のPOPシーンは世界から見ても、すごいでしょ、それはCHERRYさんがいたからで、僕の上の世代、僕らの世代、僕らの下の世代は「この人たちがいたからこんなすごいことになった。」という想いを持っていると思います。もっと若い世代にも、CHERRYさんはこういう人だったんだよ、というのを残していきたい、そしてO.G.Sも残していきたいと思っています。コロナになったので、O.G.Sも活動が止まってしまいましたが最近練習を再開しました。O.G.Sの活動を再開することで、いろいろ発信していこうと考えています。
僕は子どもが4人いるんですが、ダンスに本気で取り組むきっかけは家族でした。32歳の頃、奥さんに子どもができ、結婚するタイミングに、仕事をやめてダンスだけやってほしいと言われました。子どもも生まれるし、仕事も頑張らないと、これから子育てにすごくお金もかかる。そんなタイミングに奥さんから「あなたは絶対にダンスの世界ですごくなれる人だから、ダンスだけやってほしい」と言われたんです。それだけ言われたら思いっきりやるしかないですよね。その2年後にO.G.Sに加入することになりました。タイミングもあったと思います。振り返ると自分でも不思議だなと思いますね。バトルに出て、トロフィーとかボードとか、僕だけでなく奥さんもダンサーなのでよく持って帰ってきます。今回も大きいボードを4人の子どもたちが持って「パパおめでとう!」という動画を送ってくれました。家族に対しては愛してるよと伝えたいですね。大事な存在ですし、いないと僕は頑張れないので。面と向かっては感謝を言えませんが、一生想い続けると思います。

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