【世界的ダンサーのお仕事についてほんの少しだけ聞いてみた】

5年前のお話も詳しくお聞きしていいですか?

(ぎっくり腰になったのは)僕の出身である仙台で、パフォーマー仲間とパフォーマンスを作ろうよという話になり、仕事をしていた時です。リハーサルスタジオに竹光(模造刀)が3本あって、「三刀流!」などと切る遊びをしていた時でした。よく「遊びの最中にアイデアが出る」という話がありますが、僕の場合は遊びに飽きて真面目にやり始めた時にアイデアが出てくることが多いです。遊びはそのためのリフレッシュですね。ですが、そのリフレッシュの時間に腰を痛めてしまいました。

その時は具体的にどんな対応をされましたか?

5年前の時は、丸々二週間は動けませんでした。たまたま現場仕事はなかったのでよかったですが、出演契約書があるようなイベントだと補償金を求められるかもしれないですから運がよかったです。レッスンだけは代行にしました。その頃からいろんな不安について考え始めました。会社組織に属しているわけではないので、自転車操業で不安定な状態です。若い頃の勢いで大丈夫でしょ。という気持ちでいられないなと感じ始めました。その時はなんとかご飯をとりに行けましたが、例えば両手を骨折したらご飯も食えない。仕事をしていてお金についての不安ももちろんありますが、それ以上に命の危険にも晒されるんだなと思いました。さらに40代は過労死の話も聞きますからね。

事務所などの福利厚生はあるのでしょうか。

事務所はワタナベエンターテイメントに所属して4年目です。芸能事務所はいろいろあるのですが、エージェンシーに近い契約をしています。福利厚生としては健康診断などを受けさせてくれます。仕事は歩合制ですし、会社員のように労災などの制度もないので、パフォーマーの契約は難しいですね。お仕事が欲しい時や、なかなか人に言えない相談をしたい時はかなり頼りになります。

レッスンやショーの練習など、日常でされているケアなどありますか?

必ずやる練習は週1回と決まっていて、あとはお仕事があるときに集まる感じです。僕らの世代は怪我してもおかしくない頻度とペースで練習して育ってきました。今でも楽しくしようと心がけていますが、楽しいだけじゃ行かない時もあります。怪我は気を抜いた瞬間にきます。そのため、不定期ですが整体に通ったり、踊る前は最低限のストレッチなどを行なっています。また、誰かが怪我をしたときもショーなどができるように仲間とイニシアチブ(主導権)を分散するようにしています。以前メンバーが膝を怪我して、しばらくチームの活動を休止してしまいました。2〜3ヶ月間だったと思います。その時も、企業さんに依頼されたショーなどに出演できなくなったとい経験があります。

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