遅れてくる筋肉痛。その真相を詳しく解説!
昔よりも筋肉痛を感じるまでに時間がかかるようになったのは、年をとったからだなあ…とお嘆きのあなた!実は、あなたの筋肉痛が遅れてやってくるのは老化のせいではありません。筋肉痛の原因や、筋肉痛が起きている時の過ごし方などを正しく理解して、筋トレライフを楽しみましょう!
筋肉痛が起こる原因
筋肉痛は、運動をすることによって生じる筋肉の痛みです。
今までは、激しい運動をすると筋肉に乳酸がたまり、その疲労物質である乳酸によって筋肉痛が起こるといわれていました。
しかし現在は、生じた乳酸がエネルギーとして再利用できると分かったため、「乳酸は疲労物質ではない」と考えられています。
では、筋肉痛の原因は何なのでしょうか。
今最も有力とされているのが、運動によって傷ついた筋繊維が回復するときに炎症を起こして、筋肉痛を引き起こすという考え方です。
筋トレなどで同じ動作を繰り返したり、普段はかけないような負荷をかけたりすることで「筋繊維」という筋肉を構成する繊維に小さな傷ができ、それを修復する時に、「ブラジキニン」といった痛みを生む刺激物質が作り出されます。
だから、筋トレをした場所に筋肉痛が出現するのです。
筋肉痛には二種類あって、運動の直後や、、運動中に起こる筋肉痛は「即発性筋痛」と呼ばれます。こちらの筋肉痛は筋トレで筋肉が過度に緊張すると血の巡りが悪くなって、筋肉に「水素イオン」といったものが溜まることで起きます。
それに対して、「ブラジキニン」による筋肉痛は、「遅発性筋痛」と呼ばれます。
筋肉痛が遅れる理由
実は、筋肉痛は遅れてやってくるのが当たり前です。傷ついた筋繊維の修復というのは、「ケガをした傷が治る」というのと同じです。
「年をとると若い頃よりは筋肉痛が出るまでに時間がかかる」「年をとった人は筋肉痛になるのが遅い」というのはよく聞く話なのですが、医学的には、「年齢」が原因ではないのです。
人によって筋肉痛になるまでにかかる時間が違うのは、人によって筋肉の質が違い、運動量が異なるからです。
普段あまり運動をしない方は、毛細血管があまり発達していないので、筋繊維を修復したり「ブラジキニン」を取り除くのに時間がかかるのです。
また、筋肉の質が柔らかい方は、なかなか筋繊維に傷がつかないので筋肉痛になりにくいともいわれています。
さらに、筋トレの負荷の大きさによっても、筋肉痛になるまでの時間は変わります。大きい負荷で筋繊維を傷つければ傷つけるほどに、筋肉痛は早くやってくるし、治るまでに時間がかかります。
筋肉痛の間はトレーニングはしても大丈夫?
まだ筋肉痛が起きているということは、筋肉が元の状態に回復していないということです。
回復していない状態の筋肉でトレーニングするということは、傷ついた筋肉にさらにダメージを与えるということです。
当然、望ましいことではないとわかりますよね。
また、筋肉痛が起きてしまうほどの筋トレは、筋肉や筋力がついている関節の可動域を狭くしてしまいます。
つまり、パフォーマンスが下がるということなので、筋肉痛の間に行う筋トレは、思ったような効果が出づらいのだということもわかりますね。
筋繊維の回復には、個人差もありますが、だいたい48~72時間かかるといわれています。およそ3日ほどですね。
3日も休みたくない!!という場合は、筋肉痛を感じていない箇所の筋トレを行ったりストレッチを多めにするとよいでしょう。
筋肉痛のメリットとは
筋肉痛は、筋繊維が傷ついている証。そして、傷ついた筋繊維が回復する際に、筋肉が大きくなるのです。
この現象を「超回復」と呼びます。
「超回復」については以下の記事をご覧ください。
筋トレ超回復の仕組みが深すぎる!超回復のメカニズムを詳しく解説。理想のトレーニング頻度も!
筋肉痛が起きているということは、筋肉が大きく育っているということ。また、ある一定の負荷に慣れると、筋肉痛は起こらなくなります。筋肉痛が起こらなくなったということは、今よりも負荷を上げても良いということ。
筋トレ中の負荷をどの程度にすべきか…というのは、初心者トレーニーによくある悩みですが、筋肉痛の度合いによって負荷を設定していくと、効率的に筋肉を鍛えていけるということになりますね。
だからといって、筋肉痛が出なければいけない…ということではないのですが、バロメーターにはなると考えましょう。
筋肉痛の治りを早める方法
回復期の筋トレは望ましくないとお伝えしましたが、全く運動をせずに安静にしておくべきだということではありません。
軽い運動やストレッチで血流を良くし、生じている「ブラジキニン」などの痛みを生んでいる物質を流してしまえばよいのです。
筋トレをして新たに負荷をかけることは望ましいくないですが、ヨガやウォーキング、入浴などが筋肉痛の治りを早めてくれます。
まとめ
筋トレなどで筋肉にある一定の負荷をかけることで「筋繊維」という筋肉を構成する繊維に小さな傷ができ、それを修復する時に分泌される「ブラジキニン」という刺激物質が、筋肉痛の原因だと考えられています。
筋肉痛が起きるということは、起きている場所の筋肉が回復しながら発達しているということなので、筋トレが効果的に働いているということです。
筋肉痛が起きるまでに時間がかかる方もいますが、それは年齢ではなく、普段の運動量や筋肉の質が原因です。