D.LEAGUE CHAMPIONSHIP 見事準優勝!avex ROYALBRATSをレポート
「コレオグラフィ」と「BREAKIN’」という対極とも言えるジャンルの対決。ファイナルでaRBが用意したのは、実にハッピーな作品だった。衣装もブライトカラーで揃えられたラフでシンプルなもの。小道具は一切なし。体だけでダンスの楽しさを存分に表現してきたのだ。ハッピームード全開なトラックにのせ、笑顔で心から楽しそうに全身全霊で踊るメンバーたち。そこだけに注目してしまいそうになるが、めまぐるしく展開するフォーメーションはさすがだし、振りの細かさ、スタイリッシュさはaRBにしか創り出せないものだし、サラッと踊っているように見えるがスキルの高さも見逃してはいけない。
シーズン開始前に、新生aRBチームディレクターに就任したYuta Nakamuraにインタビューをした際に言っていた言葉を思い出した。「勝ちにこだわることも大事だけど、とにかくダンスの楽しさを届けたい。そのためにも自分たちが楽しむことが何よりも大事」。また「人間性や心地良さ」がチームの魅力だとも話していた。ファイナルという大舞台で、この原点回帰とも取れるaRBの真髄をここまでシンプルに魅せてきたその心意気に、Yutaが込めたメッセージに胸が熱くなり、涙した。今作のトラックタイトルが「We」であることにも泣けた。「We」にはメンバーはもちろん、ファン、スタッフ、家族などaRBを取り囲む全ての人が含まれているのだろう。踊り終えたメンバーたちは清々しい晴れやかな表情をしていて、その姿にもまた涙。
対する8ROCKSは、今シーズンで退団を表明しているディレクター兼リーダーのISSEIを有終の美で送り出そうという気合いがビシビシと伝わっていた。ファイナルの舞台で持ってきたのは、これぞBREAKIN’! な圧倒的なショー。世界クラスのスーパーハイスキル軍団である彼らの持つ全スキルを詰め込み、余すところなく魅せてきた印象だ。筋肉をコントロールする肉体派ではあるものの、エンターテイメントとしても長けていて、また彼ら自身もaRBと同じく楽しそうにパフォーマンスしているのがとてもよかった。
両チームとも笑顔で踊りきったファイナルステージを終え、いよいよ今シーズンの王者が決まる、ジャッジの時ーー。結果は7対2で8ROCKSが2代目チャンピオンの座に輝いた。
決闘を終えたaRBリーダーのJUMPEIがその胸中を話した。「とにかく疲れた。めちゃくちゃ悔しい。僕の先生の教えで言うと2位って負けの代表。だけどこのメンバーで最後の作品をこのステージで踊れたことがよかった。それとサポートしてくれてるたくさんの人たちの支えがあって僕たちはここに立てているので、その人たちに恩返しができたらいいなと思う」。第一声で発した「疲れた」という言葉に、これまでの長い戦いの苦労が込められているようだった。肉体的な疲れだけでなく、精神的にも疲弊していたはずで、この瞬間にやっとそれらから解放されたのだろう。
それは全チームに言えることで、D.LEAGUEというあまりにも険しくシビアなプロのダンスリーグで、休む間もなく作品を創り出し続けなければならないプレッシャーと、勝たなくてはならないプレッシャーは想像するだけで胸が苦しくなる。当然身体も酷使し続けるわけで、何度も限界を超えそうになるのではないか。全てのDリーガーたちに労いと感謝とリスペクトを送りたい。
ダンスってこんなにも人の心を動かせるもので、こんなにも本気で取り組んでいるダンサーたちがここにいること。それを多くの人に知ってもらいたい。「D.LEAGUE」というものがもっともっと世間に広く認知されて、ダンサーがさらに地位向上することを願っているし、彼らに憧れてダンサーを目指す子供たちが増えることにも期待したい。

