振付師の思考法【TOMOKO】都立狛江高校ダンス部2022年作品をセルフ解説

ダンスク!より転載)

叡明高校 feat. MAAに続いて2回目の振付師の思考法

東京の強豪校・都立狛江高校のTOMOKOさんに今年の作品響音(シング)を解説してもらいました。
抜群のテーマ性や構成力、バランスの良さはどこから生まれてくるのでしょうか?!


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●解説する作品
東京都立狛江高校学校2022年ビッグクラス作品”響音(シング)
・ダンススタジアム2022年ビッグクラス【7位】
・DCC2022年【2位】

【DCC2022】東京都立狛江高等学校『響音(シング)』
(引用元:YOUTH TIME JAPAN project

テーマは音の出るダンス

●制作のいきさつ
毎年作品を作らなくてはいけないので、常にいい案が出たらメモをするようにしています。
いつ書いたメモかは覚えてないのですが、今年はその中から「実際に音を鳴らす」ということをピックアップし、制作することにしました。
鳴らした音を会場に響かせることを課題にし、作品名は響く音と書いて響音(シング)です。

スケジュール的には、12月から作り始めて約2週間で、通しで踊れるように作品を作り上げました。
そこからは、私がやりたいことを生徒が汲み取り、生徒からも沢山意見を出してもらいました。沢山話し合いながら毎日のように修正し、最終的な作品の形が仕上がりました。

使用楽曲はテーマに合わせて、ボイスパーカッションのみの楽曲にしたく、メインの曲はPENTATONIXの中から選ばせてもらいました。

●使用楽曲リスト
01.BENNY GOODMAN / SING,SING,SING
02.PENTATONIX / SING

パートごとの解説


0:00〜0:17
●オープニング
最初の4カウントはコンパクトに始めて、5カウント目から隠していた旗を出すことによって、一気に派手な印象になるようにしました。
1曲目は自ら音を奏でてることを意識して、トロン隊・ドラム隊・マーチ隊・旗隊と名付けそれぞれのパートで踊ってます。



0:18〜0:39
●技展開
技を畳みかけるように入れました。3回転ターン、転回、旗の大技、バク転、馬跳び。
技が目立つように周りのみんなの高さやフォーメーションは工夫しました。

元々身体能力が高いメンバーが揃っていたので、活かすしかないと思って入れました!
旗はマーチングバンドの動画を見てもらい、見よう見まねで練習してもらいました(旗の振付も彼女たちが制作しました)



0:40〜0:55
●ダンス展開
2曲目の始まりは雰囲気が変わるように、密集隊形のユニゾンから始めてます。
密集隊形は後ろの子が隠れてしまう分、それを活かしてジャンプなど高さのある振り付けを入れました。



0:56〜1:13
●フォーメーション展開
観てる方の視点を変えることを意識し、あえてセンターをずらして上手側から始めてます。
そこからは常に移動して、フォーメーションを目まぐるしく変えるようにしました。
サビ前で少し落ち着かせたいところなので、ダンスはストップや抜きを意識して踊ってます。



1:14〜1:38
●コミカル展開
1サビは観てる方に笑顔になってもらいたく、キャッチーな振り付けでマイクを持って歌ってるようなパフォーマンスをしてます。



1:39〜1:51
●ダンス展開#2
場面転換を意識して曲の高音と低音を大幅にカットし、ラジオボイス風に編集してもらいました(音楽に詳しい生徒の親御さんにご協力いただきました…!)。
さらに少人数で踊ることによって全体の雰囲気は落とすけど、オーディションで選ばれたメンバーで、しっかりダンスを魅せるポイントになってます。



1:52〜2:01
●技展開#2
ラストに向けて盛り上がるように、印象に残るリフトなどの大技を入れました。
全て1人では出来ない技なので、みんなの意見を沢山取り入れて完成した場所です。



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