振付師の思考法【caori】山村国際高校ダンス部2022年作品をセルフ解説



1:05〜
●秒針の音
ここのシーン、人気ですね(笑)。これは決勝大会用に修正した見せ場でした。
イメージは大時計の振り子。ブリッジの人の揺れと立っている人の揺れを逆にすることで、不思議な立体感と揺れを表現しました。
そしてセンター2名で時計の秒針を表現。柔軟性と体幹があってこそですが、ここのシーンは時を刻むように! 一音一音を流さず音にハメるように意識してもらっています。

1:13〜
●2曲目歌詞「Dark」パート
ソロでビールマンバランスからのスカートを使って、裏音の「ドドドド」を波立たせて一気闇を表現。
表情もここから一変していきます。リズムはオンカウントで心臓のドクドク感もイメージの一つ。
 
1:20〜
エンカウントにして少し振り付けにスピード感を出します。
単調に感じさせないために、少しずつ同じ音の中にも変化を出します。
 
1:27〜
●センター1名ソロ
ソロ振りは心臓を握ってつかむ。みたいなイメージ。
センターの子が8名を操るような振り付けになっています。
センターの子の表情がダークでとってもいいので、注目していただきたいです。

1:41〜
●後方で横一列
あえてセンターの子が1人でスナップを鳴らすソロ。他のマリオネットはその後に動き出す。
1列もかなり広めに位置を広げているのですが、スカートを広げることで空間を埋めています
前に出る振りはスピード感を大切に。
この後の振りも、踊るというよりあえて型にはめるような踊りをし、微妙な構成で立体感を見せます
 
2:00〜
●サビ「Dark」パート
ここから一気にスピードアップ!!ここでの差をつけるためにあえて上記のタイミングは抑えめにしています。
とにかく振りが早いですが、ユニゾン意識でバキバキに揃えています
 
2:06〜
バラバラの振り。ここは世界観を重視した振り付けになっていてセンターの子が腕にもたれながら反ったり、その子の顔を撫でたり、、
他にもたくさんあるのですが闇に翻弄されるようなイメージです。
 
2:12〜
●「Nananana〜」パート
ソロでお人形が寝入ってしまうような振り付け

2:13〜
●音ハメ
一気に音ハメ、アイソレーション振りでイメージチェンジ!
ここはマリオネットが夢に堕ち闇に操られる様をペア振りで表現しています。
最初のところに笑声?みたいなのが、さらに恐怖を引き立たせてくれますね!
 
2:21〜
●リフト
手前4名が縦一列になり、後ろのリフトを隠して「bad guy〜」の声に合わせてリフトアップ!
最後の最後に効果的なサプライズを仕掛けました。

2:26〜
●ラスト
ここはもうなんと説明したらいいか、、、笑
とにかくアートを作りたくて、「どうなってんの????」という感じで終わらせたかったんです。
かっこよくポーズというより、見た後に「なんだったん?????!」ってなるような体と形になるよう工夫しました。
リフトから一気に畳み掛けるので、ここが一番苦戦していましたね。
ラストの『ハッ!』の声はみんなの表情も意識してもらっていました。
「怖かった、、、」と言ってもらえたら嬉しいです(笑)。

●全体のポイント

スモール編成はスキル重視なイメージが強い中、テーマ性を強めに制作しました。
その中で…
<スキルが伝わりやすく>
<曲の歌詞が見ている人にわかりやすく>

…を特に意識しました。

私は音楽が好きで、そのアーティストの歌声のニュアンスや、歌詞の意味をすごく大切にしています。JAZZダンスをベースに振りを作っているのですが、今回の作品の中にはJAZZの中でも幅広い要素を取り入れています。
このポイントを9名のメンバーが意識し体現してくれたからこそ、ダンススタジアムでの優勝を掴み取ることができたと思っています!

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