【北九州市立の練習】創部24年!全ジャンルで日本一を獲得するストリート系ダンス部の元祖

ダンスク!より転載)

北九州市立が作り上げてきたストリート系ダンス部の歴史

文=石原ヒサヨシ(ダンスク!)

今やダンス部といえば、ストリート系が主流だが、25年ほど前は全く状況が異なっていた。

ダンス部といえば、戦後から続く創作ダンスかチアダンスで、ストリート系ダンスが出られるダンススタジアムのような大会もなかった。

徐々にそういった大会で「ヒップホップ部門」や「オープン部門」などが設けられ、ストリート系のダンス部はそういった部門に“お邪魔する”形で大会出場をしていたのだ。

そして、ストリート系ダンス部の印象は、学校内や職員室でも印象の良い方ではなく、ダンスミュージックを校内で流して練習していると「なんで学校でヒップホップが…?」とか「遊んでいるんじゃないの?」などの冷めた見方が多かったという。

そんな頃から、ストリート系ダンス部として活動しているのが、北九州市立高校(創部当時は戸畑商業高校)だ。

創部は24年前。ストリートダンサーだった顧問の緒方先生の元に集まってきた生徒たちで同好会が発足し、生活態度や規律を守ることで、まず学内でのストリートダンスへの印象を変えていった。

そして、大会やメディアなどでも活躍し、緒方先生は、ダンス部顧問先生方による「全日本高等学校ダンス連盟」や、公式大会を目指す「全日本高等学校チームダンス選手権」を立ち上げる。

>>今年のチームダンス選手権の模様はコチラ

時代の流れとともに、ダンス部の主流は創作系からストリート系へ移っていったが、北九州市立高校のようなダンス部が着実に重ねてきた実績と信頼こそが、今のダンス部の状況の礎を作ってきたと言って良いだろう。

オールジャンルを繋ぐ意識と練習方法

北九州市立高校は大会でも活躍し続けているが、特にすごいのがストリートのほぼ全ジャンルで日本一を達成していること。

特定のジャンルに特化するのではなく、ソウルダンス〜オールドスクール〜アニメーション〜ヒップホップ〜ハウスという、ストリートダンスの進化の流れを、並列にではなく、時系列上にある同じ流れのダンスと捉えているのだ。

今回取材した練習でも、その認識による練習方法が見て取れた。

まずリズムトレーニングでは「体の自然な動き」をステップに変換することを徹底している。

歩く際に下半身に上半身が連動していく動き。その自然な動きにしなやかさや滑らかさを加え、リズムやノリを意識していくと、ソウル系のステップになっていく。

関連記事