「ダンスで世界を幸せにしたい」ジェンダーフリーなダンサー【Macoto】が見せる新世界
人一倍の努力をしないと人並みになれない
若手No.1ダンサーと言っても良いだろう。
プロダンサー「Macoto」23歳。
しなやかな長身が生み出すキレとパワー、エモーショナルでセクシーな音感表現、バレエからスワッグまでのジャンルをこなすオールラウンドのスキル。
SNSでは、独自のアーティスティックなファッションとヴィジュアルのアート表現が強烈に目に焼きつく。
キッズの頃から大会やステージで活躍、世界的ダンスクルー「RIEHATATOKYO」のエース的存在として頭角を表わし、三浦大知ダンサーへ大抜擢、Dリーグでは初代チャンピオンの原動力となる。
いわばダンス界のエリートに思える彼だが、意外やダンスに劣等感を抱える少年時代だったという。
「ダンスは子供の頃からただ好きでやっていたんですけど、全然センスなかったですよ。兄と弟は何をやらせてもすぐうまくなるから、僕は昔から兄弟にバカにされる存在でした。だから、人一倍の努力をしないと人並みになれない、って思い続けていたんです」
レッスン前には前回の復習、後にはその回の復習、日々の自主練と、人一倍の努力を重ねてきた。
ジャンルの方も、オールドスクールからヒップホップ、そしてジャズやバレエまで人一倍のレッスン量だが、「ただダンスが好きだったから」と苦労とは感じていなかったという。
やがて中学生ぐらいからは、まわりの評価も上がり始め、「RIEHATATOKYO」のメンバーとなる。
「RIEさんは、ヒップホップとジャズやバレエをやっている僕をすごく尊重してくれた。SWAGのショーなのにターンを入れたりと、見せ場を作って僕に自信を持たせてくれたんです」
Macotoのダンススタイルには、ワイルドなSWAGや、スタイリッシュなニュースタイルの中にも、ジャズダンス的なしやかさやシルエットのクリアさが同居する。
野生味と色気、重さと軽さ、強さと弱さ、受容と挑発、安定と不安定などなどの相反する表情が交錯し、その振り幅の広さが独特の魅力となっている。
「よく人から“ヒップホップとジャズ、よく両方できるね?”って聞かれるんですけど、僕の中では同じ感覚でやっているんです。基礎も音の感じ方も全然違うんだけど、両方同じように気持ちいいし、楽しんで踊っていますね」
カミングアウトで見えた色のついた世界
高校時代には語学留学のために1年間渡米し、一時期はダンスを離れた。
ダンサー以外の自分、とある悩みを抱えていた自分の、新しいアイディンティを模索するために移り住んだ街では——。

