「ダンスで世界を幸せにしたい」ジェンダーフリーなダンサー【Macoto】が見せる新世界
「アメリカでは疎外感がすごかった。人一倍がんばらないと他の国の人と繋がれないし、その間にインスタで日本の仲間の活躍を目にするのも焦った。学生時代は暗黒、土の中にいるみたいでしたね。そんなツラい経験したからこそ、まわりの人に優しく、愛情を注げるようになったのかなと思います」
常に仲間を大切にするというMacoto。
「RIEHATATOKYO」はまさにファミリーと言える結束力のチームで、「avex ROYALBRATS」の名で初代Dリーグのチャンピオンに輝いた。
高校卒業のタイミングでは、国内最高峰のダンスクルーである、三浦大知のバックアップダンサーに抜擢。
「一流の方と仕事するのはいつも学べるし、常に必死な自分でいれるし、とても刺激的です。Dリーグも自分のダンス人生が変わったきっかけでした。あの作品をできたことで、自分が自分であることに自信が持てた。RIEさんにも、まわりの仲間にも感謝です。世界に色がついた瞬間でした!」
“あの作品”とは、D.LEAGUE20-21のROUND 7トップバッターで披露されたパフォーマンスだ。
Macotoをセンターに据え、ファッショナブルかつパワフルに、切実なメッセージを打ち出した圧巻の作品。
テーマは十人十色。
LGBTQやBLMなどの問題に対して、個人のカラーを大事に、差別の壁を打ち破っていこうという、強い声明のある作品だ。
ダンス後に、ステージ上からMacotoはこう叫んだ——。
「このパフォーマンスを見てくれている、これから先の人生、未来に悩める若者たちへ。決してあなたはひとりじゃないっていうことを忘れないでください。僕たちがみなさんの居場所になれるように、生きる希望となれるようにエンターテインメントを頑張ります。だからあなたを精一杯愛してあげてください!」
ゲイをカミングアウトすること。
どこかで、それを恥ずかしいと思うことが、自分を苦しめていたというMacoto。
「あの作品、そしてRIEさんとの映像作品『PRIDE』を通して、自分が住んでいた世界に初めて色がついた。初めて自分を愛せた瞬間でした」
自分を精一杯愛すること。ステージ上で“自分らしさ”を全開に開放すること。
それはパフォーマーにとって一番美しい瞬間であり、観客に希望と勇気を与え、新しい世界を見せていくものだ。
