五感を刺激するQuodlibet(クオドリべ)公演リハーサルレポート

2022年11月3日。
かつてない公演が、和歌山の『和歌の浦アート・キューブ』で開催される。
「コンテンポラリーダンス公演」と聞くと、難しく感じる方も多いかもしれないが、この公演は、「ただコンテンポラリーダンスを見せる」だけでは終わらない。
インスタレーションとその説明にあるように、和歌山の美しい海と緑を舞台としているので、観客はダンスを見ながら気温や海の風を肌で感じ、潮の匂いを嗅ぎ、波の音をかすかに耳でとらえることになる。

リハーサルを見ていると、年齢もバックグラウンドも全く違う様々なダンサーたちが、歴史ある神社や橋、そして光をまとった会館の中で踊る姿は、「コンテンポラリーダンス」という枠組みすらも忘れさせる「何か」で、それが「何か」を探すのが観客の喜びとなるのではないかと感じた。

                                    

和歌山には、寺社仏閣が多い。
本公演が行われる『和歌の浦アートキューブ』の前にある「不老橋」は、そんな和歌山で、「神輿に乗せたご神体が休憩する場所、御旅所へ渡る橋」として作られたものだ。

                     

不老橋を渡ると、なにか一瞬、空気が冷たくなるような、そんな気配がある。
不老橋を渡ればそこはもう、現実とは別の世界。
Quodlibet(クオドリべ)公演は、そんなことを感じさせる公演だ。

自然の中に、神や人間では何かが集い力を発揮するような、そんな空間の中で、「踊る」を超えて「生きる」ダンサーたちは、自分たちが何を表現したいのか、何を訴えたいのかは決して謳わない。ただ、ただ踊る。

                                                    

まるで、天岩戸の前の天宇受売命のように。

公演の詳しい内容は、以下をご覧ください

Quodlibet(クオドリべ)公演

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