【チームダンス選手権】小編成優勝は目黒日大!大編成は桜丘!【全チームレポート】

<<小編成より

 

大編成&総評

 

 

東京都立王子総合高等学校(東京)
気合いの入った衣装とヘアメイク。パワフルなユニゾンと豊かな構成で展開!

 

 

香里ヌヴェール学院高等学校(大阪)
民族的な世界観と速いステップで引き込む。最後の手振りもスピーディ!

 

 

福岡県立ありあけ新世高等学校(福岡)
真紅の衣装が鮮烈な女性チーム。スキルの課題を表現力と展開の豊かさでカバーする。

 

 

大阪府立汎愛高等学校(大阪)
儀式のような世界観を強い動きと表情で見せる。衣装替えの配色バランスも見せ方も素晴らしい。

 

 

武南高等学校(埼玉)
ソロを立てた刹那的な情熱ダンス。メリハリの効いた構成で息を呑むような緊張感を生む。

 

 

大阪府立柴島高等学校(大阪)
躍動感のあるステップとしなやかなシルエット。気迫とユニゾンの精度は抜群!

 

 

二松学舍大学附属高等学校(東京)
優秀賞
得意のPOPでバチバチに音ハメしていく直球勝負。男子のパワーとキャラが大きな武器。

 

 

奈良県立奈良高等学校(奈良)
大きな動きをさわやかな曲調に流していく。初心者も多いようで、今後に期待!

 

 

鎮西高等学校(熊本)
鎮西らしいポップでキャッチーな青春ダンス。高校生らしいパッションが好印象。

 

 

叡明高等学校(埼玉)
優秀賞
ストレートなHIPHOPに織り交ぜるヒネりの効いた展開や編曲が面白い。

 

 

日本体育大学荏原高等学校(東京)
マーチ曲にさまざまな音取りで展開。万国共通で楽しめるようなダンスだ。

 

 

栄徳高等学校(愛知)
ミステリアスなムードと抽象的な曲で独特のアート表現を完成。評価しにくいところが逆に、今後の大きな期待につながる。センター男子の存在感がすごい。

 

 

大阪産業大学附属高等学校(大阪)
蝶を思わせる芸術的な衣装にダークな曲調。華麗な踊りとのミスマッチが逆に個性につながっている。

 

 

広陵高等学校(広島)
大所帯でのファンキーなLOCKIN。定石に加えた変化が欲しかった。

 

 

日本大学明誠高等学校(山梨)
優秀賞
いわゆるニュースタイル系の音取りとシルエットだが、非ダンス的な動きが多いからこそ見入ってしまう不思議な魅力。

 

 

関西大倉高等学校(大阪)
仏教をモチーフに、ダンス作品というより舞踏表現と言いたくなるような圧倒的世界観。脳裏に焼きつく場面がいくつも。

 

 

目黒日本大学高等学校(東京)
小道具、テーマ、選曲すべてにチャレンジした見事なエンターテインメント作品。傘を扱う緊張感が作品のスリリングさにもつながっている。

 

 

樟蔭高等学校(大阪)
優秀賞
ミステリアスなムードとフォーメーションの激しさで見せる抽象的な作品。

 

 

愛知県立昭和高等学校(愛知)
コミカルで映像的でチャーミング。テーマパークのような楽しい作品。

 

 

北九州市立高等学校(福岡)
3位
地元強豪校のビッグクラス作品。オールドスクールの本格的な魅力を次々に展開する。

 

 

北海道芽室高等学校(北海道)
スキル不足を補うチームワークとダンスを楽しむ姿勢。今後に期待!

 

 

沖縄県立小禄高等学校(沖縄)
テーマ性の強いストーリー作品。ドラマティックなエンディングが印象に残る。

 

 

作陽学園高等学校(岡山)
緑黄色社会のナンバーで高校生らしいフレッシュなダンス。疾走感と笑顔が素敵。

 

 

聖和学園高等学校(宮城)
センスが光る選曲にステップ。クールとホットの同居具合が面白い。

 

 

埼玉県立坂戸高等学校(埼玉)
真紅のドレスとパラレル展開に目を奪われる。曲とダンスのマッチングが最高。

 

 

精華女子高等学校(福岡)
常連の同校らしいSOUL & WAACK。ユニゾンの精度と衣装の鮮やかさも印象的。

 

 

関西学院高等部(兵庫)
神秘的なムードから、立体展開やフォーメーション変化で見せる。衣装やメイクと作品のバランスが良い。

 

 

京都文教高等学校(京都)
準優勝
ダンス、選曲、衣装すべてが独創的。展開も早く、構成に隙がない。

 

 

桜丘高等学校(愛知)
優勝
ソウルフィーリングのあるHIPHOPの中でさまざまな表情を構成。エンターテインメントとストリートカルチャーの融合!

 

 

東京都立狛江高等学校(東京)
優秀賞
エンディングに相応しい高度な構成力の作品。ステージに花が咲くような音感表現とユニゾン精度も素晴らしい!

 

>>近日中にYouTube『ダンスク!TV』でレポート動画を公開予定!


【大編成:結果】

優勝:桜丘高校
準優勝:京都文教高校
3位️:北九州市立高校
優秀賞:樟蔭高校/日本大学明誠高校/東京都立狛江高校/叡明高校/二松学舎大学附属高校

 

総合優勝(文部科学大臣賞):桜丘高校

 

(審査員特別賞)
MAIKA賞:奈良県立奈良高校(大編成)
松井英里賞:鎮西高校(大編成)
バファリン賞:目黒日本大学高校(大編成)
LEE賞:二松学舎大学附属高校(小編成)
KENJI賞:大妻高校(小編成)
宮田健男賞:精華女子高校(大編成)

 

(TEAM1 SOLO BATTLE)
優勝:森田暖音(二松学舎大学附属高校)
準優勝:親川華月(沖縄県立北中城高校)

 


総評「ダンスを見る大会」の攻略法

 

15回目を迎えたチームダンス選手権は、例年になく見応えのある大会だった。
特にレベルが高かったのが、小編成部門(12人以下)。
高校生ダンス部というよりも「いちダンサー」としてメンバー各自の顔と個性がしっかりと伝わってきて、群舞や作品主体のイメージが強い他の高校ダンス部大会とはまた違った高校生ダンサーたちの魅力を感じることができた。

この日の審査結果にも、「ダンス」を真正面から評価する大会としての矜持が現われている。
負けたチームはきっとこう思うに違いない——
「やっぱりダンス力なんだ」「基礎練もっとやろう」「強みに特化しよう」と。
そういった想いは、部の練習内容や作品作りの方向性を正し、部活の引退後も各自がダンスを楽しめる姿勢に繋がるだろう。

ダンスを第一に評価する本大会の審査基準もまた、他の大会とは異なる。
大会HPには以下のように審査基準が記されている。

「ダンス技術(テクニック)」
「音感技術(選曲・リズム感・音楽の解釈等)」
「構成技術(パッケージング・フォーメーション等)」

特に、特徴があるのが「音感技術」で、ここにチームダンス選手権たるストイックなダンスの捉え方があり、この日の結果にも影響していた。第6回目からの大会取材で感じていたことを、初代審査委員長の故:坂見誠二さんの談話も思い出しつつ、各審査項目の分析とその対策を記していこう。

 

審査項目の奥にあるもの

 

審査項目①ダンス技術=振り付けの奥にあるフィーリング振り付けを正確に実行するのもダンス技術なのだが、審査員はその奥にあるフィーリングや繊細さを見抜いている。それは振り付けへの解釈や表現力、余韻やふとした合間にもムードとして現れる。いかにそのあたりを大事にし、追求し、楽しんでいるか、というダンサーとしての基本姿勢。または、フリーで踊る難しさや自由さを感じているか? 言うなれば「ダンス愛」を感じさせるダンサーに、審査員はハンズアップするのだ。この日のソロバトル「TEAM1 SOLO BATTLE」では、そんな高校生ダンサーたちの頼もしい姿がいくつも見られた。

審査項目②音感技術=音やリズムや歌に対して、忠実な動きができているか。あるいは曲を引き立てる動きや斬新な音取りをできているか。その歌詞や歌手が喜ぶような表現ができているか。
あくまで、主役は曲であってダンスではない。曲に対して、身勝手なダンスであってはいけないのだ。誠二さんも、その継承者であるダンサーPEETさんも言っていた。「カラダから音が鳴ってないといけないんだ」と。

審査項目③構成技術=時間軸・空間軸・心理軸での構成。ここはチームダンス選手権がチームダンスを競い合う大会である所以だ。大人数であるのだから、もちろん個々人が勝手に踊っていてはいけない。それらをまとめあげる=構成することがポイントになる。
理想を言えば、個々人の力を最大発揮させたまま、「構成(パッケージング)」をするべきであり、この日の小編成上位チームはそこが素晴らしかったのだ。

構成には主に3つある。まずは時間軸。どのような起承転結、抑揚、展開で構成されているか。審査員や観客の心理で言えば、冒頭や序盤というのは否応でも期待値が上がる。「いいもの見せてくれそう!」という心理から、印象が目減りしていき、減点されてしまってはいけない。正直なところ、ほとんどのチームがそれにあたる。要は、カマしは効いているが、最後までの持続やサプライズができないのだ。

たとえば最初は弱火で、徐々に火力を上げるような展開。観客を裏切ったり、安心させたり、ドキドキさせるような抑揚。
よく起承転結と言うが、個人的には2分半作品では「結」はそれほど考えなくても良いのではないかと思う。説明を追いすぎて、抽象の心地よい余白を失うことはよくあることなのだ。

次は、空間軸の構成。フォーメーションや踊り分け、出ハケ、あるいは立体的な展開のこと。この日の大編成部門は、ここが甘いチームが多く、観客からは焦点が定まらないガチャガチャな場面が多かったように思う。大人数だとしても、複数人を固まりとして捉えて動かすこと、伸びたり縮んだり移動したり、あくまで群として踊らせること。そして観客視点の見え方にこだわること。例えば、大所帯が横一列になって踊る場面などは、観客視点では迫力というよりも、情報処理ができないストレスを感じていることもあるのだ。迫力で押したい、全員をフェアに見せたいという振付師の想いだろうが、横一列はここぞという時だけにとっておこう。

肝要なのは、審査員や観客からの心理軸の構成、あるいは心理誘導。視覚と聴覚を使ってダンスを見るわけだから、目線の誘導は大事だ。場面場面で「ココを見てください。次はココ!」という丁寧さやオモテナシがあること。次々と目線が変わることで、観客の心理に刺激や興奮を促せること。
この日の小編成優勝チームはそこがスキなく、抜群にうまかった。

チームダンス選手権、ダンスに対する誠実さと学びがたくさんある大会で、いつも安心して、気持ちよく取材させてもらっています。
先生方が公務外で、予選からの大会の準備や運営を1年間かけて行なっていることには本当に頭が下がります。
かつて出演していたOB/OGが運営のお手伝いをしている姿にも、ダンス部への愛情や繋がりを感じさせます。
ダンスと教育と生徒への愛情の結晶が、9月の時期に北九州の地に集まり、夏の大会シーズンを締めくくることに毎年感慨を覚えます。

また来年も熱いダンスを見せてください。よろしくお願いします。

レポート:石原ヒサヨシ(ダンスク!)



▲第1回目大会からジャッジする審査員長の宮田健男さん。

 

▲中京地区からはハウスダンサーのKENJIさん。長年本大会を見守る。

 

▲関西の人気ダンサーLEEさん。ハートフルな人柄とダンス!

 

▲ゲストショーと軽快なトークで沸かせたバファリンさん!

 

▲世界で活躍する松井英理さん。これぞプロ!というパフォーマンス!

 

▲キッズ時代からスーパーヒップホッパーのMAiKAさんは今年初参加!

 

▲顧問ジャッジがいるのもチームダンスの特徴。ジャッジムーブに生徒から大拍手! 先生方お疲れ様でした!

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