バレエ『眠れる森の美女』のあらすじや特徴をバレエ経験者が解説!

バレエ作品『眠れる森の美女』は、数あるクラシック・バレエ作品の中で最も有名なものの1つに数えられます。今回は、眠れる森の美女のあらすじや特徴をバレエ経験者が解説します。華やかであでやかな作品が好きな方は、気に入ること間違いなしです!


クラシック・バレエ作品の中で、最も有名な作品のひとつともいわれる『眠れる森の美女』。眠れる森の美女と聞くと、ディズニー作品を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?今回は、世界中で親しまれているバレエ作品の眠れる森の美女をピックアップ!

眠れる森の美女のあらすじは?特徴は?個性豊かなキャラクターが登場する眠れる森の美女には、バレエ初心者向けのバリエーションもあるのだとか…!?

  1. バレエ作品『眠れる森の美女』とは?
  2. 眠れる森の美女がすぐにわかる動画

バレエ作品『眠れる森の美女』とは?

『眠れる森の美女』は、ロシアの作曲家チャイコフスキーによって作曲されたバレエ音楽およびその音楽を用いたバレエ作品です。1890年、マリインスキー劇場にて初演されました。シャルル・ペローのおとぎ話「眠れる森の美女」をベースに、サンクトペテルブルクの帝室劇場総裁イワン・フセヴォロシスキーが台本を書き下ろしました。振り付けはマリウス・プティパ。眠れる森の美女は、数あるクラシック・バレエ作品の中で最も有名なものの1つに数えられます。

眠れる森の美女は、チャイコフスキーのバレエ音楽の中で最も演奏時間が長く、全曲を通した上演には普及している縮小版でも優に2時間を要します。原型に基づく上演の場合、上演時間は3時間に及び、マリインスキー・バレエだけが上演している本格的な眠れる森の美女の上演時間に至っては4時間にも及びます。

眠れる森の美女のあらすじ

【プロローグ】
フロレスタン24世の娘、オーロラ姫の誕生により、盛大な洗礼の式典が行われている。6人の妖精たちの一行が、彼女の名付け親となるべく招待された。夾竹桃の精、三色ヒルガオの精、パンくずの精、歌うカナリアの精、激しさの精、そして一番偉い善の精、リラの精である。まず国王が妖精たちに贈り物をし、妖精たちがそれぞれオーロラ姫に授け物をする。

その時、邪悪な妖精カラボスがやってくる。カラボスは自分が洗礼に招待されなかったことに怒り狂い、オーロラ姫に次のような呪いをかける。
「オーロラ姫は、20回目(改訂版では16回目)の誕生日に、彼女の指を刺して死ぬでしょう。」
しかし幸運にも、リラの精だけはまだ姫に何も授けていなかった。リラの精は言った。
「カラボスの呪いの力は強すぎて、完全に取り払うことはできません。したがって姫は指を刺すでしょうが、死ぬことはありません。100年間の眠りについたあと、いつか王子様がやってきて、彼の口づけによって目を覚ますでしょう。」

【第1幕】
オーロラ姫はすくすくと成長し、20歳(16歳)の誕生日を迎えた。その誕生日に編み物をしている娘たちを見て国王は激怒する。オーロラ姫を守るために編み物・縫い物は禁止していたためだ。しかしめでたい祝いの日なので国王は怒りを鎮めて祝宴を始める。

オーロラ姫には4人の求婚者がおり、彼らがバラを姫に手渡したそのすぐ後、姫は何者かから糸をつむぐ紡錘(スピンドル)を贈られる。彼女は尖ったものに気をつけるようにという両親の忠告にも関わらず、それを持ったまま楽しそうに踊る。そして、誤って指を刺してしまう。

実は、邪悪な妖精カラボスが求婚者の一人に化けていたのだ。カラボスはすぐに邪悪な本性を明かし、驚く賓客の前で勝ち誇りながら姿を消す。同時にリラの精が約束通りやってきて、王と王妃、そして賓客たちに、オーロラ姫は死ぬのではなく眠りにつくのだということを思い出させる。リラの精は城にいた全員に眠りの魔法をかける。オーロラ姫が目覚めるその時に、目を覚ますように、と。

【第2幕】
それから100年が経った頃、デジレ王子が一行を率いて狩りを行っていた。王子は狩りが楽しくなかったため、1人になりたいと申し出て一行から離れる。そこに突然リラの精が現れて、オーロラ姫の幻を見せられた王子はその美しさの虜となる。王子はリラの精にオーロラ姫の元へ連れて行くよう頼み込み、今や太いツルが伸び放題でからみついている城にたどり着く。リラの精はオーロラ姫の名づけ親だが、デジレ王子の名付け親でもあった。

王子は城の中で眠っているオーロラ姫を発見し、王子のキスによってオーロラ姫は目を覚ます。彼女が目を覚ましたため、城にいた全員が目を覚ます。王子は姫への愛を告白し、結婚を申し込む。

【第3幕】
婚礼の仕度は整った。祝祭の日にさまざまな妖精たちが招かれている。結婚を祝福するのは、金の精、銀の精、サファイアの精、ダイヤモンドの精である。リラの精もカラボスも出席している。「長靴をはいた猫」や「白猫」などのおとぎ話の主人公たちも来賓として居合わせている。

華麗なダンスが次々に踊られる。4人の妖精のパ・ド・カトル、2匹の猫のダンス、青い鳥とフロリナ王女のパ・ド・ドゥ、赤ずきんちゃんとおおかみの踊り、シンデレラ姫とフォルチュネ王子のダンスが披露され、オーロラ姫とデジレ王子のパ・ド・ドゥが続き、最後にマズルカで締め括られる。オーロラ姫と王子は結婚し、妖精たちを讃えるアポテオーズの中で人々は妖精たちに感謝を表し、リラの精やカラボスなどの妖精たちが人々を見守るうちにバレエは終幕となる。

眠れる森の美女の特徴

眠れる森の美女の特徴は、なんといっても上演時間の長さでしょう。現在は短縮版がメジャーですが、それでも2時間を超え、休憩を入れると3時間に及びます。

また、1作品で100年の時を描くバレエ作品は非常に稀なため、セットや衣装を通してぜひ100年の変化を感じてみましょう。もう1つ特徴として挙げるなら、善悪の対比も重要なポイントといえます。個性豊かなキャラクターが表現する善と悪の葛藤は、眠れる森の美女という作品の焦点になっています。

眠れる森の美女がすぐにわかる動画

まずは、眠れる森の美女のあらすじをおさらいしましょう。全体的に華やかで、優雅な踊りが印象的な眠れる森の美女は、子どもから大人まで大人気の作品です。ラストのお祝いの場面では、青い鳥や赤ずきんちゃん、シンデレラなど、昔話の主人公たちが出てきてとっても楽しそう♪

1幕のローズアダージオ。曲の後半でバラを受け取ることから、この名が付けられています。動画は、ロシアの姫の愛称で親しまれるスヴェトラーナ・ザハロワ。容姿端麗なザハロワの踊りには、高い技術だけではなく吸い込まれる魅力があります。

4:30秒から始まるフロリナ王女のバリエーションは、バレエ初心者向けといわれています。同じパの反復が多く、鳥のさえずりを聞くような振付が可愛らしいため子どもにも人気の高いバリエーションです。

まとめ

バレエ作品『眠れる森の美女』のあらすじや特徴を解説しました。

眠れる森の美女は、1888年にサンクトペテルブルクの帝室劇場総裁イワン・フセヴォロシスキーが、チャイコフスキーに宛てた1通の手紙から生まれました。その手紙には「ペローのおとぎ話『眠れる森の美女』に基づくバレエの音楽が欲しい。」と書かれてあったそうです。チャイコフスキーがためらうことなく作曲を引き受け、ロシア帝室バレエの比類ない振付師マリウス・プティパが振付を担当したとあれば、傑作が出来上がることは間違いありません。

「バレエらしい」とも表現できる、華やかで楽しい眠れる森の美女。ぜひ次々と登場するキャラクターの個性にも注目してみてくださいね!