優勝は山村国際高校!DCC vol.9(全国高等学校ダンス部選手権) 全チームレポート!
今年で9年目となる高校ダンス部の全国大会「DANCE CLUB CHAMPIONSHIP(全国高等学校ダンス部選手権)」が8月18日に開催。この大会では、ダンス技術のみを競い合うのでは無く、「漢字二文字のテーマをいかにダンスで表現するか?」という審査基準が設けられており、「技術力」「表現力」を総合的に審査していきます。ダンス部専門ウェブ・フリーマガジンである『ダンスク!』では、DCC全チームをレポート!それではオンライン予選を経て全国大会に揃った36チームのパフォーマンスを見ていきましょう!
三重高等学校(二重:ニジュー)
※オンライン参加
シリフレらしいとことん楽しむ姿勢で、特別賞狙いのようなパフォーマンス。オンラインでも伝わってくるノリの良さはオンリーワン。
鎮西高等学校(音楽:へいわ)
ジャパニーズラップに乗せた気迫のヒップホップ。歌詞ハメも音ハメも素晴らしく、この日のストリート勢では随一。
大阪府立登美丘高等学校(嘘貌:いつわり)
エンタメから表現へ、お笑いから芸術へ。登美丘の変貌ぶりはダンス部界を新たな方向へ指し示すような予感もする。素晴らしい挑戦。
南強工商(台湾)
※オンライン参加
ダンス部も国際交流の時代へ。台湾からのオンライン参戦は、オールドスクールダンスを時系列で繋いだ楽しい作品。
結果
優勝:山村国際高等学校「情熱(ルージュ)」
準優勝:帝塚山学院高等学校「心燃(しんねん)」
3位:大阪府立登美丘高等学校「嘘貌(いつわり)」
〜特別賞〜
●ニチレイフーズ賞:日本大学明誠高等学校 「再起(シューティングスター)」
●Chiyoda賞:鎮西高等学校「音楽(へいわ)」
●TOKYO HEADLINE賞:日本体育大学荏原高等学校「天体(グローバルウォーミング)」
●AWA賞:千葉敬愛高等学校「儚駆(ドリーマー)」
●オーディエンス賞:東京都立福生高等学校「テーマ:彩架(にじ)」
石原編集長のつぶやき
漢字2文字、半分は自分達のため半分は観客のため
*コロナの影響やダンスタとの日程被りにより、常連校のいくつかに姿はなく、関西からの出場校が増えました。また初の決勝出場校も多く、予測のつかない展開でした。
*これまでのDCCは半円ステージを見下ろす形、今回はやや大きめの長方形ステージ。加えて照明も素あかり中心で、スキルとパワー、正面への訴えかけに強いチームが有利なようでした。
*審査の傾向としては、創作系・ジャズ系が強く、ストリート勢がかなり不利なようでした。漢字二文字の表現性の得点が高いことで創作系・ジャズ系が強いところもありますが、ダンス部全体として大人数でのストリート/ヒップホップはだんだんと評価されにくい傾向がありますね。
*得点配分の通り、テーマの表現性に重きが置かれているのがこの大会の最大の特徴。勝ちたいならば、そこを上げていく方法を取っていきたいです。パロディなどのわかりやすさで勝負するのも1つ。あるいは、ダンスのイメージをフワッと膨らませる抽象表現や、逆にキリッとフォーカスさせていく想いも良いでしょう。いずれにせよ、この漢字2文字は、半分は自分達のため、半分は観客(審査員)のためにあるものだという意識を忘れないように。何となく最後に取ってつけている言葉では勝てないのだ。
*驚いたのは関西勢の苦戦ぶり。これまで1つの形(カタ)で勝ってきたチームは自らその形に苦しんでいるようでした。形を守るか、進化させるか、破るか。今ちょうどその転換期のような気がします。その点、豹変ぶりが功を奏した登美丘はやはりスゴいチームです。
*「変わる」ことは怖いですが、そこに若者が挑戦する教育的意義はたくさんあると思います。創作系の参入やダンス力の向上により、ダンス部の大会もかなり変わりました。その転換期に、変わることができたチーム、変わろうとしている途中のチーム、あくまでスタイルを守り抜くチーム。いろいろありますが、伝統を守るのも1つだし、「守・破・離」に挑むのも一つ。いずれにせよ、結果に固執せずに目の前の果たすべき行為に身を捧げるのが一番なんですね。
(ダンスク編集長:石原ヒサヨシ)
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以上『ダンスク!』より転載