マンガで楽しむ超ダンス部入門#5-7「これが上達の時」「大会出場の勇気」「感謝の気持ち」

マンガで楽しむ超ダンス部入門#5/これが上達の時

当然、上達には時間がかかる。でも、地道にやってきたいろんなことが一気に繋がる「気づき」の時は来るのだ。それは誰かのアドバイス一言がきっかけだったりするよ!
文&マンガ原案=ダンスク!編集長:石原ヒサヨシ/マンガ:コバタキミコ(ダンスク!2020年6月号より転載)

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【1年生それぞれのタイプと課題!】

ここでは、ダンス部員によくある上達のお悩みを紹介。筆者がこれまでに話を聞いたプロダンサーやコーチからの意見を参考にアドバイスをまとめた!

キレがほしい!

よく「キレキレのダンス」と表現されるが、うまいダンスはキレ具合が際立つ。キレとは単に速度だけのことではなく、止めから動き出しへのスピードの落差と、動いてからの加速度を指すのだろう。スピードを出すことと同じぐらい、ピタリと止める力やスローな動きのニュアンスが大事。速さだけではなく、落差・緩急・メリハリ。また、指先足先までの表現や大きく踊ることもキレの印象につながる。

パワーがほしい!

パワーとは踊りの力強さや重さ。先のキレとも似ているが、単純に筋力の強さや物理的な力だけを示しているのではなく、ダンスでは力強い印象=パワー感のことを言っている。そういう印象を与えるためには、ダンスの動きと同じぐらい「ニュアンス」づけが重要だ。

言わばダンスにとっての「演技」の部分。表情や勢いや余韻の部分で、力強いイメージをどのように表現するかを考えたい。また、とあるダンサーは「逆に脱力することによってパワー感が演出できる」と言っていた。ここもキレ同様に動きの緩急や力の抜き差し、内側からのエネルギーがポイントになる。

体力がほしい!

筋トレによるフィジカル強化や踊り込みによる持久力強化は初心者には欠かせない。運動部並みの走り込みでスタミナ強化を行なうダンス部もある。筋トレやアイソレで重要なのは、今どこを鍛えているか、ダンスのどの部分につながっているかを意識すること。プロダンサーの中にはフィジカルトレーニングを行なわずに、あくまで踊りの中でフィジカル強化を行なうタイプもいる。そうすることで、踊るための筋力が自然に鍛えられ、無理のない体の使い方を覚えることでケガ防止にもつながるという。

▲『ダンスク!』がプロデュースしたダンス動画「毎日DANCEトレーニング」はYouTubeにて公開中

マンガで楽しむ超ダンス部入門#6/大会出場の勇気

大会に出てみたい! でもまだヘタだし緊張するのはイヤだし…って気持ちもわかる。でも出ないことは気づけないこと、見られない風景、次へのステップがある。構わず出よう! 出ればわかるさ!

【アガるのはしょうがないけど…】

ダンス部大会には年々マスコミからの注目も上がっており、大会数も増えている。出場常連校と未出場校の実力差が顕著になっているようだが、大会出場はさまざまな成長が得られるので、ぜひ勇気を持って参加してもらいたい。ここでは大事にしたい3つのポイントを解説しよう。また、主要ダンス部大会の傾向を別表にまとめたので、参考にして欲しい。

目標

まずは、作品や振り付けの前に部や個人にとっての明確な目標を話し合うこと。何のために出るのか? を見失うと制作途中でブレることがある。それは、具体的な入賞や予選突破なのか、自分たちらしい作品を作ることなのか、参加することで学びたいことは何か、などなど。

バランス

作品作りにおいて、常に気をつけたいのが「バランス感覚」だ。作品作りには、テーマ、振り付け、表情、選曲、衣装、ストーリー、メッセージなどいろんな要素があるが、それらが1つの方向に合致していないケースをダンス部の作品にはよく見かける。大事なのは、見ているだけで「伝わる」こと。コンセプト作品にせよ、抽象表現にせよ、観客や審査員には思っているほど世界観が伝わらないもの。伝わりにくさは、減点や飽きにつながる。自分たちの作品を客観視し、仕上げと見直しに意識を向けられるかが大事になる。

スケジュール

スケジュールには余裕を持っていきたいが、各工程においてなかなか思うように制作は進まないものだ。大会前日まで踊り込んでいたり、作品の修正を繰り返していたり、揉め事もあったりするが、大会出場とは「そういうもの」だと腹を括ろう。そこも含めて、部員の成長や経験につながるのだ。スケジュールも大事だが、もっと大事なのは「全員が意見を言うこと」「納得するまで試すこと」「自分たちらしさを見つけること」だ。

反省と課題

勝っても負けてもやりっぱなしは良くない。納得如何に関わらず、全員が結果と向き合って、反省点と課題点を早めに共有したい。現場で見た他校の作品について話し合うもの良いだろう。その蓄積が後輩や伝統に受け継がれ、やがて太い幹として大きな成果につながるのだ。勝つことだけがダンスじゃないし、大会出場の目的ではない。だが、限られた時間を燃焼するためには大会出場は大きなモチベーションになる。結果的には、勝ち負け以上に得られる宝物があるのだ。


※参加チーム数と決勝時期は2019年のもの
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