ダンス部員の未来のカタチ(前編) 〜ダンス部の経験をSTEPにして夢の職業をつかめ!
「あの時は踊りながら絶対優勝できるってわかりました。なぜそういう気持ちになったかわからないんですけど、あの時なぜかそう思えたんです(美波)」
「優勝した時も嬉しかったですけど、遠征に行った時のことが思い出深くて、今でもみんなで集まって話題になります。練習はキツかったけど、あの時にしかできない充実感がありました。今でも戻れるならば戻りたいぐらいですね!(胡桃)」
胡桃さんは高校時代からメイクに興味があり、ダンス部でもメイク係を担当。優勝した作品のインパクトに一役を買った。
子供好きの美波さんは、ダンス部時代に小学生に教える機会があり、保育に興味を持ち始めたという。その機会を作ったのは、久米田高校ダンス部(くめだんす)を熱い情熱で支え続ける顧問の八木先生だ。
「胡桃はやんちゃなタイプで、発想力や提案力、まわりを巻き込んでいく力がありました。だからあの顔半分が白塗りのメイクを実現できたんだと思います。美波には、子供達を受け入れるような柔らかさがありましたが、自分で限界を決めているところがあったので、公開講座で責任者を任せました。自分たちの振り付けをたくさんの小学生が踊ってくれるのはすごい感動と経験になったと思いますよ(八木)」
久米田高校では、大会やイベント以外に地域との交流で踊る機会をたくさん設けている。その中で考えなくてはいけないのが、見る人が何を求めているかを察する力と各自の役割分担だ。
振り付けを作ることはもちろん、チケットやポスターに関わる仕事、ホールや音響・照明の方との折衝、学校や保護者との交渉、集客などなど。それらはすべて将来の仕事の擬似体験となり、成功しても失敗しても結果に向き合うという大きな経験となる。
「管理が得意だった部員がいまマネジメント事務所に就職していたり、イベント作りを楽しんでいた部員がブライダル系の仕事についたり、熱中症対策を一生懸命やっていた部員が看護系に進んでいたり、ダンス部時代の何らかの役割と経験が将来に活かされていますね(八木)」
老人ホームへの訪問ではダンスを見て涙を流すお年寄りと触れ合うことで、大きな感動が高校生を突き動かし、その後の将来を決めることもあったという。
役割分担にともなう各自の責任感、試行錯誤と実践、向き合うべき結果と学び、ダンスを通じたさまざまな人たちとの交流。それが部活動で経験できるダンス部の教育的効果は本当に高いと言える。
