【ダンス部向けコラム#1】チームを鍛える!!!〜リーダー選びと顧問やコーチとの連携

ダンスク!より転載)

チームを鍛える!!
〜強いダンス部の組織作り〜
 
良い作品は良いチームから生まれる。逆に言えば、ダンスのステージは誤魔化しが効かない。
良いところも悪いところも、そのチームのすべてが現れるのだ。チームワーク、規律、仲の良さ、ノリの良さ……。
作品を見直す前に、まずは自分たちのチームを見直すことから始めてみよう。
部活動の目的は、大会で成績を残すことや技術向上だけにあるのではない。
その目標を達成する過程で得られる、経験や成長にこそ真の価値があり、未来を生きる大きなチカラとなるのだ。
今回は、ダンス部のチーム作りをじっくりと考えていこう。

文:石原ヒサヨシ(ダンスク!)
ダンスク!No.40から転載

#01:リーダーと役割分担

部のポテンシャルを引き上げるリーダーと、会社組織のような細かい役割分担

#愛に溢れた部長の存在感
#ダンスを引っ張るダンスリーダー
#ダンス部ならではの細かい役職

まずチームに欠かせないのが強力なリーダーシップだ。ダンス部の場合は、その役割が2人いることが多い。部長とダンスリーダーだ。その2つの役割を1人が兼任している場合もあるが、負担やバランスを考えた場合、分担したほうがより効率的に思える。

部長は、部をマネジメントする立場だ。筆者も取材の際は、部長を相手にすることが多いが、しっかりした考えと責任感を持った強豪校の部長の対応にはいつも感心する。
部長に必要なのは、常に周囲を見渡す目線と実行力を持っていることだ。何か問題がある場合は、すぐにその原因をつきとめて、改善策を実行し、チームのモチベーションをキープしていく。
落ち込んでいる部員がいるならば、練習終わりに声をかける。部全体の士気が下がったり、目標を見失った頃合いにミーティングを持ちかける。賢さ、優しさ、冷静さ、寛容さ…。つまり「愛情」に溢れた人間性が部長には必要なのだ。
ほとんどのダンス部の場合、部長は部員や先輩による他薦で選ばれることが多い。必ずしも、ダンス技術が優れた者が選ばれるわけではなく、かえってダンス面で他に一歩譲っているほうが、部全体のバランスがとれていたりするものだ。

そして、部長との両輪でダンス部をまわしていくのがダンスリーダー。部によって、振り付け担当とかキャプテンなどと呼ばれる場合もある。ダンスリーダーはその名の通り、ダンス面での責任者であり、練習面や作品作りでのリーダーとなる。要所で相談や検討が重要な役割なので、複数人で受け持つ場合も多い。
ダンスリーダーはもちろん、技術面と経験で他よりも1つ抜けている必要がある。基礎の指導やそのお手本となること、作品作りを牽引する知識や経験を持っていること、そしてダンスへの熱い情熱で皆のテンションを上げていくことも時に必要だ。
ダンス部は、それまでのストリート系のダンスシーンとは違い、体育会系な取り組み方が大きな特徴である。だからこそ、ダンス部ならではの大所帯のユニゾン表現などが可能になっているのだが、真面目すぎるが故に時にダンス本来の「楽しむ」姿勢を見失ってしまう場合がある。そんな時に、ダンスの厳しさと同時に「楽しさ」を体現できるダンスリーダーがいると、部のムードが一気に温まったりするものだ。

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