【ダンス部向けコラム#1】チームを鍛える!!!〜リーダー選びと顧問やコーチとの連携
そして、部長やリーダーをサポートするのが副部長や副ダンスリーダー。大所帯のチームはマネージャーがいる場合も増えてきた。ダンス部の場合は、多くの音源や衣装を管理したり、練習中の撮影やスケジュール管理、SNSでの発信など、ダンス以外にこなすべき仕事が多い。それぞれ、音源係、衣装係、広報、会計、渉外など、まるで会社さながらの役割分担をしている部も多く、それは社会に出るための格好の予行練習になるだろう。実際、イベントで照明や音響を担当していた部員が卒業後に専門学校に進んだり、衣装担当が服飾系の会社に就職したり、SNSの担当者がPR関係の仕事についたりと、元ダンス部員たちがどんどん社会での実績を残し始めている。一昔前なら「体育会系部活の男子は就職に有利」なんて時代もあったが、これからはダンス部員がそうなるかもしれない。それだけ、ダンス部を通じて得られる、センスや専門性、そしてコミュニケーション能力は大きいのだ。
▲クラブネーム(あだ名)や、レベル別のグレード分け、各自の担当を会社組織にたとえた「光ヶ丘女子」の運営体制。
顧問やコーチとの連携
顧問の情熱と教育哲学で形作られるダンス部。
技術指導や振り付けにもこだわりが
#ダンス部顧問のダンス経験
#外部コーチのあり方
#顧問・コーチ・部員の信頼関係
部活である以上、ダンス部には顧問が必要だ。ただ、ダンス部の場合は他競技と比べてダンス経験のある顧問がまだまだ少ない。全国大会の常連校を見ると、顧問のダンス経験率は約半数ほどだろうか、必ずしも顧問が技術指導や作品指導などを受け持つ必要がないのがダンス部の特徴と言えるのだ(しかし、未経験ながら強豪校に育てた顧問の先生は非常に研究熱心である)。
また近年では、教員の顧問負担を減らすために、外部指導員の導入が積極的に進められており、専門性の高いダンス部には特に求められているところだろう。という状況から、管理監督を受け持つ顧問と、技術指導を受け持つ外部指導員(コーチ)、そのバランスが取りやすい部活がダンス部の特徴だと言える。
筆者はこれまで100以上のダンス部を取材してきているが、強豪校のダンス部の顧問の先生には、ダンス経験の有無に関わらず、強いポリシーや教育哲学がある。ダンス部はまだ歴史の浅い部活である上に、一口にダンスと言ってもその種類は実に多様であり、流行やスタイルは時代とともに変遷していく。他の競技のように指導要綱などが確立されているわけではないので、強豪校のダンス部はそれぞれが「ウチのやり方」にこだわっているように感じられる。いわば、1つとして似ているチームがない——それがダンス部の面白さであり、筆者が何校も取材を続けている理由でもある。
