【ダンス部向けコラム#2】チームを鍛える!!!〜基礎・応用・振り付け〜練習メニューと作品作り

ダンスク!より転載)

チームを鍛える!!
〜強いダンス部の組織作り〜
>>第1回目より

文:石原ヒサヨシ(ダンスク!)
ダンスク!No.40から転載

#03:練習メニュー

 基礎は正しい形・負荷・意識で。強豪校は基礎と振り付けの「間」を大事にする
 
#正しい基礎練のあり方
#意識の持ち方
#基礎と振り付けをつなぐ応用練習

次に練習メニューを考えていこう。筋トレから基礎練、そして振り付け練習という一般的なダンス部の練習の流れというのはあるのだが、筆者が取材に訪れる強豪校では、その微細は異なっている。現在の練習時間自体はコロナの事情もあり平日1.5〜3時間と長いとは言えない。限られた時間で、いかに有効に練習を行なうか。その「出口」をどこに設定しているかで、組まれる練習メニューは決まってくる。

まず基礎体力やダンスの基礎力が足りていないダンス部や初心者は当然、基礎練習に重点を置くべきだろう。ストレッチ、アイソレ、筋トレなどの基礎メニューを「正しい形」で「正しい負荷」で「正しい意識」で行なうことが大事になってくる。

まず「正しい形」だが、筆者が取材で見たところ、ココをきちんとやれているダンス部は決して多くなく、そのチェック機能も精度が低いようだ。同じ筋トレやアイソレでも、正しい形や角度、正しいアライメント(骨の配列)で行なわないと、意味がないどころか怪我につながる可能性もある。
「負荷」に関しても同様で、正しい形で行なわないと正しい負荷がかからない。その運動でつけるべき筋肉や柔軟性が得られないのだ。形や負荷を正しくできるということは、「正しい意識」につながっていく。いま行なっている基礎トレーニングが、どこを動かしていて、どこを鍛えていてダンスのどの動きにつながっているかを意識することは非常に重要である。

話はやや逸れるが、優秀なダンサーやスポーツ選手は、体内に意識やエネルギーをめぐらすことがうまい。指先なら指先、膝なら膝、体幹、下半身など指示通りにその部分に意識を集中することで、動きのポイントを素早くつかんでいく。こういった基礎トレーニングでは、動きだけではなく、「意識」を鍛え、鋭くしていく意味もあるのだ。

基礎トレーニングを正しく行なっていくには、やはり客観的なチェックが必要だ。初心者のうちは、コーチや経験者に見てもらって、マンツーマンでチェックしてもらうのが良いだろう。外から見た「形」だけではなく、ここでも体の内部でどこを「意識」していくかも指導したいところだ。気をつけたいのは、絶対に無理をしないということ。部活動のノリで、筋トレの回数を無理に重ねたり、可動域以上にストレッチしたりすると、思わぬ怪我につながってしまう。それぞれのレベルに合った適正な形や負荷を見極め、日々ちょっとずつ頑張れるレベルを引き上げていくのが理想だろう。

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