規格外のフットワークを見せたBREAKING!超人対決が実現したALL STYLES!マイナビDANCEALIVE 2023 FINAL BREAKING&ALL STYLES ハイライトレビュー!

好勝負の末GUCCHONが勝利を手にすることとなったが、どちらもヒットを打てばその音に合わせて空間が震えるほどのパワーと表現のぶつかり合いで、初戦から決勝戦のような盛り上がりを見せていた。

奥深さの饗宴、STYLE OF FUSION対決が実現

GUCCHONが進出した準決勝では、SEEDダンサー、そして最年長ファイナリストでもあるPEETとの、STYLE OF FUSION対決が実現した。STYLE OF FUSIONは「ダンスの神様」SEIJI率いる国内最高峰のクルーの一つ。BOPPIN’と呼ばれるロボットダンスを中心にしたPOPPIN’で人間離れした表現や空間を見せるチームという印象だ。そのSEIJIに認められたメンバーの二人がこのMYNAVI STAGEでぶつかり合う、相当レアな対戦カードとなる。

1stムーブ、先行はPEET。soul&funkの名曲「Funkin’ for Jamaica」のベースやリリック、ドラムに合わせ音で遊びつくす貫禄のムーブは奥深く、この後に来る特徴的な一つの音やビートに魂を込めるためにグルーヴ感や体の硬さなどの見せ方を変え、ダンスの密度をチューニングして踊っている。ロックダンスは極めるとベーシックが必殺技になる、という言葉通り、PEETのポイントはその指を伸ばすだけでかっこよく感じてしまう。
一方GUCCHONはビートを刻みながら揺らぎ、一つの音も取り逃がすことなく全身で音を取り込み奏でていく。スローモーションやウェーブを多用し音の質感を変え、ボーカルに合わせるようにゆっくりと体内を通すボディーウェーブは、セクシーな雰囲気を纏わせ、まるで身体が唄っているような動きである。

2ndムーブはアップテンポなfunkに合わせ、PEETもエアーからボディーウェーブへとつなげるが、ティッキングやわざと各部位にブレを作るようなエフェクト、そしてソウルのステップをゆっくり踏んでいるように見せかけ、細かなバイブレーションをボディウェーブとして通していくという神技を見せる。オールドスクール、ファンキーグルーブ全開でまるでジャズの即興のように踊るPEET。

GUCCHONのラストムーブは対抗するように変則的なビートを刻み、ブガルースタイルから徐々にギアをあげていく。時折くる特殊な音に合わせて飛び跳ねるなど、予測不可能な動きと、ヒットを打った後の余韻まで完全にコントロールされた身体操作はまさに神技だ。そのまま音を体に取り込み静止し、ゆっくり膨らんで爆発するというムーブで会場は大きく湧き上がった。結果は6対1でGUCCHONが勝利。ジャッジの後はともに感謝とリスペクトを表明し合う長い抱擁が見られた。

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